放課後を最高の学びの時間に

本気で取り組む放課後プロジェクト

目標額:30,000,000 万円

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子どもが遊びながら学び、地域にも開かれていく「放課後子ども教室」

本気で取り組む放課後プロジェクトに寄せられた寄附金は、放課後こども教室の運営費の一部に充てられています。今回は、子ども達が雪の中で思いきり遊放課後こども教室の様子を紹介します。

自由な遊びの中にルールあり!

町内に2校ある小学校のうち、厚真中央小学校では1〜3年生を対象にした「放課後子ども教室」を毎週木曜日に開催しています。

この日のプログラムは「外であそぼう!雪であそぼう!」。前日にたくさんの雪が降ったおかげで、当日は膝下まですっぽり埋まるほどのパウダースノーが一面に広がりました

午後3時。カラフルなスキーウェアに身を包んだ21人の子どもたちが、足跡ひとつない真っ白なグラウンドに飛び出してきます。

最初のアクティビティは鬼ごっこ。スタッフの合図で鬼役の子どもたちがほかの子どもたちを一斉に追いかけます。追う子も逃げる子もフカフカの雪に足を取られて思うように走れません。四つん這いになり必死の形相で逃げる子もいれば、途中で可笑しくなってゲラゲラと笑い出す子も。シンプルな鬼ごっこでも、雪の上というだけでテンションは上がりっぱなし。氷点下の雪原で子どもたちはみんな顔を上気させ走り回ります。

ウォーミングアップも済み、次のアクティビティはスノーフラッグ。ビーチフラッグの雪上版で、ゴール地点に立つ複数のフラッグ(旗)をいち早く取った人が勝ちになるゲームです。専任スタッフの上道和恵さんがフラッグの準備を進めていると、5人が集団から外れて遊び始めましたが、そのまま残りの16人でスノーフラッグがスタートしました。

ゲームはいたってシンプル。上道さんの笛の合図で子どもたちがダッシュし、フラッグめがけて雪に飛び込みます。ビーチフラッグはもともとライフセーバーの訓練を兼ねた競技ですが、子どもたちは雪にダイブするのが面白くて仕方ないようす。ここぞとばかりに雪にまみれていました。

先ほどの5人の子どもたちは、新雪に寝っ転がってはしゃいでいました。傍らにはスタッフが一人ついて見守っています。4人のスタッフには、暗黙のルールがありました。「子どもが集団から離れたら、スタッフの誰かがフォローする」。

子ども達は、その後もアメーバのように広がったりくっついたりを繰り返します。遊び方も、雪の上でリレーをしたり、すべり台をつくったり、雪を積み上げてお城をつくる子もいて、子ども達の遊びのアイデアの多さに驚かせられます。

子どもたちの様子を見ていた教育委員会の宮下桂さんがいいます。「学校の授業でしたら注意されるかもしれませんが、放課後子ども教室はこれでいいんです。子どもたちはただ好き勝手遊んでいるようでも、遊びの中にはルールがあるんですね。ルールを作るのも、守るのも自分たち。やりたいことを貫くには友だちの関心を自分に向けるための交渉術も必要です。遊びながら学ぶ。そういう経験、私たちの子ども時代にもありましたよね」。

一人の女の子がたくらみ顔で近づいてきました。「どうしたの?」と振り向くと待っていたとばかりに雪玉を投げます。こちらもお返しに雪玉を作ろうと手袋で雪をつかむものの指の間からサラサラと雪がこぼれました。気温が低く雪が乾いているからです。女の子が雪玉を上手に作れたのは素手でギュッと握りしめたから。体温で雪をあたためて溶かすとは!完敗でした。

歳の離れた大人の友だちとして

放課後子ども教室のあと「子どもたちはとても自由気ままに遊んでいましたね」と感想を伝えると「放課後は基本的に子どもたちの時間。決定権は子どもたちなんです」と上道さん。
「今日は『雪で遊ぶ』ことがテーマで、鬼ごっこやスノーフラッグは手段なんです。子ども達がやりたいように自由に雪で遊べたらそれがいいんです。子どもたちがもしも何をしたらよいか分からない状態になった場合には、もう一つ二つこちらから提案しましたね。私たちはあくまで子どもたちに関わって遊ぶ大人です。学校の先生でも、習い事のコーチでもないんです。子どもは私のことを『先生』とは呼ばず『うえちゃん』と呼びます。友だちなんです。歳が離れた大人の友だちです」。

その立ち位置が明確に現れるのは子ども同士のケンカのとき。「放課後子ども教室では頻繁にケンカが起きます。今日もスコップやバケツの貸し借りで子ども達同士もめてましたね。それでもスタッフは無理には止めません。道具を使う順番やルールを決めて未然にトラブルを防ぐこともできますが、それもしない。子どもたちが自分で考える余地を作るためです」。

「うえちゃんの考え方にすごく共感できる」と話すのは、保護者の土居琴恵さん。2年生と4年生の男の子のお母さんです。「子どもは学校でちゃんとしなくちゃいけない。家にはうるさい親がいる。先生や親の目が離れた所での解放感と、それをつかず離れずの距離で見守ってくれる大人の存在がいるのはすごくありがたいです」。

ハスカップ園を営んでいる土居さんは、自身の子どもを放課後子ども教室に預ける一方で、特別教室の受け入れにも協力しています。
特別教室とは、平日の放課後子ども教室とは別に年間十数回行われる週末プログラムのことです。農協青年部や商工会青年部の協力のもと、田植えや稲刈りなど平日の教室はできない体験プログラムを開催。土居さんのハスカップ園でも数年に一度、特別教室として園を開放し、ハスカップ狩り体験会を実施しています。
「うえちゃんが来たことをきっかけに、農協青年部や商工会青年部が放課後子ども教室を通じて地域の子どもたちに関わるようになりました。地域みんなで子育てをしている感覚です。厚真の子どもは恵まれてますよね」。

放課後子ども教室は、地域の人たちとの関わりによって地域に開かれた場へと進化しています。上道さんはこう話します。

「自分が育ったまちのことを、自分の体験をもとに、自分の言葉で語れる人を育てるのが放課後子ども教室のねらいです。それには今日のように身近な友だちと身近な環境の中で体を使って心と頭で考える活動も大事ですし、地域の大人とふれあう機会も作ることでふるさとの捉え方が立体的になってくると考えています。

4月で7年目を迎える放課後子ども教室。開始当初1年生だった児童は中学校に進学します。教室そのものが次のフェーズへ成長する、今がそのときなのかもしれません。

 

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文=長谷川圭介
写真=渡辺路子(ロッシグラフィカ)

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